【婚活の極意】結婚相談所がおすすめできない理由

夜の街がネオンに包まれる頃、DOKUSIN.BARの扉が開く。

ほのか/バーテン
いらっしゃいませ。本日のおすすめは何になさいますか?
ゆい
ふふ、それなりのおすすめをしてくれると期待していたのだけれど

ゆいが人なつっこく笑うと、ほのかも慣れた様子で答えた。

ほのか/バーテン
あんまりおすすめしすぎると、かえってみなさんを困らせてしまうかもしれませんからね
ゆい
トホホ、ほのかちゃん同じ独身女性なのにこの酷い仕打ち。私のお気に入りのウーロン茶でも出してくれる?
ほのか/バーテン
かしこまりました。ゆいさんにはいつものウーロン茶で
ゆい
ほのかちゃんほどスマートなお店の看板娘がいたら、このバーの評判も上がるわね
ほのか/バーテン
さてさてみなさん、そろそろレディースタイムを始めましょうか?

そういうほのかの声を合図に、はるとがカウンターへとすすり寄ってきた。

目次

暴走する独身グループ

はると
始まった。今日もボクの参考になる話かな…
ゆい
ふふ、今日は私から話を始めますね
ゆい
実は先日、婚活のセミナーに参加してきたの。すっごく気になることがあるの
ほのか/バーテン
ほう、それは耳が痺れるようなお話しですね。
ほのか/バーテン
ゆいさんならではの体験談を、じっくり聞かせていただきます
こはる/女性客
ゆいさん、私も混ぜてください。婚活セミナーって本当に効果あるんでしょうか?
ゆい
私はあんまり実感がなかったのだけれど、そこでこういう宣伝を受けましてね

ゆいはそういうと、セミナーのチラシを取り出した。「結婚はスピード婚が一番!老舗の結婚相談所をおすすめします」と大書されている。

こはる/女性客
相談所がおすすめって…
ゆい
ほらほら、今どきの独身男性はこういう結婚相談所に頼らなくてもいいんじゃないかしら?
はると
結婚相談所か…そういえばボクにもチラシがきてたな

結婚相談所のデメリットとは?

ほのか/バーテン
なるほど、結婚相談所のデメリットについて話してみたいということですね
こはる/女性客
まずは、独身男性の方の立場からお話ししますと、結婚相談所を利用すれば確かに望む条件の女性と出会えるかもしれません
ほのか/バーテン
ただ、料金が高額になってしまうのが難点ですわ。婚活にかける費用は慎重に検討する必要がありそうですね
はると
これ、言いたいことはよくわかるよ。男性には高額な料金が払えない人も多いだろうからね
ゆい
でしょうでしょう。婚活パーティーやアプリなら、思った以上に出会いのチャンスが広がるかもしれないし
ゆい
重ねて言えば、相談所のように決まった人選に限られるよりも、自分の目で好みを見極められますからね
ほのか/バーテン
それに、相談所は年齢層や地域が限られてしまうケースもあります。自由度が低く、選択肢が狭くなってしまうのは避けたいところですね
こはる/女性客
なるほど、結婚相談所のデメリットが見えてきたわ。自分の希望通りになる保証はないし、コスパも悪いですね

結婚相談所のメリットと比較して

ゆい
ただ一方でホントに真剣に結婚したい!っていう男性には、相談所も有力な選択肢になり得るでしょうね
ゆい
そこは婚活パーティーやマッチングアプリよりも、真剣味が違うと言えそうかしら?
ほのか/バーテン
確かにその点では、結婚相談所の方がメリットは大きいと思いますわ。真剣な出会いを求める人にとっては魅力的な存在かもしれません
こはる/女性客
だけど、そんなに真剣すぎるのも疲れちゃうかも。婚活は楽しみたいって気持ちも大事よね
ほのか/バーテン
なるほど、そこが男女間のギャップなのかもしれませんね。確かになかなか難しい話しです
はると
この辺でボクから一言いってもいいかな?
ほのか/バーテン
あら、はるとさん。どうされましたか?
はると
相談所に頼る頼らないはいいとして、まずは素直な気持ちを大切にしたほうがいいと思うんだ
はると
気持ちをしっかり持ってる男はモテるし、チャンスも広がる。そのためにいろんな婚活スタイルを見つけていけばいい
ゆい
あら-?、はるとくん。今日は男らしいじゃない
はると
…はっ!!いや、別に…お邪魔してすみません…

一同、はるとの言葉に頷いた。バーの空気が穏やかに流れる。

ほのか/バーテン
みなさん、それぞれ素敵なご意見をありがとうございました。結婚相談所を使うかどうかは一概に言えませんね
ほのか/バーテン
ただ、男性の本音に寄り添えるよう、私たちも日々努力を重ねていく必要がありますね

ほのかが言葉を継いだとき、ゆいさんの場の空気が変わった。

ゆい
ほら、今のがほのかちゃんらしいわ。接客態度も良し、トークも上手、それにスタイルも抜群だし
ゆい
これだからみんな、ほのかちゃんに憧れるのよ。わたしなんてほっそりした姉さんに生まれ変わりたいくらいです

はたしてほのかの態度はどう変わるのか。バーの女子会は、まだまだ続きそうだった。

ほのか/バーテン
まあまあ、そんな誉め言葉は誇張しすぎです。ゆいさんだって素敵な魅力がたくさんあるじゃありませんか
ゆい
ほんとに?ほのかちゃんったら、私をおだてすぎじゃありません?
こはる/女性客
ふふ、でもほんとのことですよ?ゆいさんの人となりや雰囲気って、ほのかちゃんが心から羨ましいと思っているくらいですから
ゆい
まあまあ、お世辞も過ぎればたいした事はないわね。ただ、ここには紳士的なたけるさんがいらっしゃるから、安心なのよ
たける/オーナー
…え?オレですか?

たけるは急に話をふられ、その慌てた様子に一同が顔を見合わせ、楽しそうに笑いあう。

りほ/女性客
でも本当のことを言えば、このバーにはほのかさんがいるからこそ、皆が集まってくるわけじゃありませんか
ゆい
そうそう、たけるさんとほのかさんは正反対の立ち位置にいながら、こうしてバーを支えているんですもの
ほのか/バーテン
みなさんには、そう映っているのですね。でも私自身が誉められるよりも、ゲストのみなさんに喜んでいただけることが何より嬉しいことなのです
ゆい
ははは、それがほのかさんの人となりなのかしら。だからこそ私たちはここが大好きなのよ

本命はどこにいるのか

はると
ごめん!やっぱりボクの話を聞いてくれないかな?

はるとが静かに口を開く。それを合図にして、ほのかたち女性陣は笑みを浮かべながら、じっと聞き入った。

はると
このバーにいる女性は皆、すごく魅力的で素敵だと思う。でも、ボクが本当にモテたいと願うなら、まだ自分の武器を磨かなきゃいけないはずだ
はると
婚活も含めてさ、これからは男として真剣に恋愛を考えていきたいんだ。そうでなきゃ、結局何も手に入らない
ほのか/バーテン
なるほど、はるとさんの男としての覚悟が感じられますね。でも具体的にどんなことをされようと?
はると
とりあえずマッチングアプリで女性とたくさん出会ってみようと思う。そこから学んだことを生かして、じっくり婚活に取り組む作戦です
ほのか/バーテン
そうですか。婚活はさまざまなアプローチがあって良いものですね。
ゆい
ふふふ、ではひと際輝きを増したばかりのはるとくんにあやかりつつ…

ゆいがそう言うと、一気にテーブルの上にワインを注いだ。

ゆい
今夜はこのワインで、みんなでハッピーなひと時を過ごしましょう!乾杯!

一同で杯を重ね合う。ゆいの気遣いに、バーの空気が和やかに満たされた。

そんな賑やかなひと時の中、はるとの恋愛観が少しずつ、でも確実に前に進んでいく。皆もそれを感じ取り、密かに彼の恋を応援していた。

こはる/女性客
乾杯、乾杯!それにしてもはるとさん、すごい決心をされましたね
ゆい
そうよねえ、本当に素晴らしい!私も見習わないといけないわ

ため息交じりにはるとの決意を称えた。その言葉にはるとは照れくさそうに笑みを浮かべる。

はると
まあ、そんなに特別なことでもないですよ。ただ、ずっと気になっていたことを、ようやく実行に移せたってだけですから
はると
でもね、今の自分じゃ駄目なんだろうな。だからこそ、いろいろと経験を積んで、成長していかなきゃいけない
ほのか/バーテン
なるほど、そうした経験から男性は大きく成長を遂げられるのですね
ほのか/バーテン
それに、女性側も男性の変化やアプローチの仕方を注視していますからね。絶妙なバランス感覚が重要になってくるのかもしれません
ゆい
ふふふ、ほのかちゃんらしい的確な指摘ね。はるとくんも頑張らないと、このバーの女性陣からいつか取り残されちゃうわよ?
こはる/女性客
まあまあゆいさん、はるとさんのペースを応援するのが大事でしょう。無理のない範囲で、男らしさを高めていけばいいですよ

ゆいの冗談めいた言葉に、一同で笑い合いながらも、はるとの行く末を案じるような空気が流れた。

きっかけは何にでもある

こはる/女性客
ねえねえ、この前聞いた話なんだけど…本当の出会いのきっかけって、結構ありふれたものから始まりますよね

突然そんな話を切り出す。その言葉に、女性一同もうなずいた。

ゆい
そうそう、たとえば路上で見かけた人に一目惚れしちゃったり、飲食店で出会ったりという具合
こはる/女性客
つまるところ、いつどこで運命の人と巡り会うかなんてわからないのよね
ほのか/バーテン
なるほど、出会いの場所なんて関係なさそうですね。大切なのは、その人との触れ合いの中で感じられる何かでしょうか
ほのか/バーテン
個人的には、日常のちょっとしたひと時に潜む出会いのきっかけ。それがロマンチックで素敵だなと
はると
それに気づけることが男らしさの基本なのかな
はると
つまり、身の回りにある出会いの芽を見逃さない感性が重要だってことでしょうか

ほのかの言葉にはるとが頷いた。そうした普段の小さな発見こそが、男らしさの基盤になるのかもしれない。

ゆい
あれ?もしかしてここで、私たち出会いの話をしすぎじゃないの?

ゆいが気づいたように、一同は笑い合った。そうか、このバーに集う人間が出会いを語るのは当然のことだ。

そんな空気の中、はるとはひとりしみじみと考え込む。これから先の出会いと恋愛への道は、まだまだ見えていない。

はると
だからボクはもっと、もっと男らしさを身に付けていかなきゃいけないんだ

そう決意を新たにした彼の目は、既に次の一手を見据えていた。

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